Seaside Laboratory

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KFM 2.20 リリース

主な変更点は以下の通り。

破壊可能飛び道具を追加

ロレントのスティンガーのような打撃で無効化できる飛び道具「破壊可能飛び道具」を追加した。

事の発端は 2023 年 4 月に開催されたナックルオフ。二次会の会場となったカラオケボックスにて「エディを KFX 上で再現するにはどうすればよいか」という話題が出た。エディの再現には「飛び道具の食らい判定を有効化して攻撃を当てられるようにする」という機能が必要で、これは KFA の拡張案として度々登場している機能でもあるのだが、KFX との互換性やリスト書式の関係で実装は見送られている。

話の続きは X で行われた。

ただ、議論を進めていく過程で「プレイヤーの攻撃判定と飛び道具の攻撃判定」という組み合わせに拡張の余地があることが分かり、互換性の面でも問題がなさそうだったので「破壊可能飛び道具」として実装することとなった。

飛び道具の挙動

基本的に破壊は相殺とほぼ同じで、飛び道具の攻撃判定と接触したら相殺、プレイヤーの攻撃判定と接触したら破壊、というだけである。ヒットではないので、ヒットストップの発生やヒットエフェクトの表示といったヒット関連の処理は行われない。

プレイヤーの挙動

プレイヤーは破壊を行ったことによる影響を一切受けない。持続が途切れることもなければ、ヒット分岐が発生することもない。攻撃状態が維持されるため、一度の攻撃で複数の飛び道具を破壊することができる。攻撃が相手の飛び道具とプレイヤーの両方に当たった場合、飛び道具の破壊とプレイヤーへの攻撃が同時に成立、つまり攻撃が貫通したような見た目になる。

ヒット分岐の拡張

ヒット分岐には新たに「破壊」が追加されているので、相殺と同じように破壊でも分岐させることができる。飛び道具のヒット状況に応じてプレイヤーを分岐させることも可能なので「設置しておいた飛び道具が破壊されたら分岐」といった応用も可能。ただ、これがどう役に立つのかは分からない。

破壊処理の裏側

飛び道具の破壊は作品によって仕様が異なり、破壊のしやすさにも違いがある。これには当たり判定が大きく関係していて、プレイヤーの攻撃判定だけでなく食らい判定も飛び道具に触れていた場合、ゲームの仕様によっては破壊が行われる前に攻撃を食らってしまう。

攻撃判定と食らい判定が重なっているケースは多々ある。

スト III には飛び道具に対してだけ無敵になる食らい判定があり、攻撃の先端が飛び道具に触れた程度であれば食らいにならない仕組みが用意されている。残念ながら KFX にはそのような仕組みがないため、同じ方法を使うことはできない。

理論上は、先に飛び道具を破壊してしまえば攻撃を食らわずに済み、KFX ではヒット処理の直前で相殺処理が行われているので、そこに破壊処理を滑り込ませることにした。このような仕組みなので、飛び道具が一撃で破壊できない場合は攻撃を食らってしまう可能性がある。

ステージ選択機能を追加

対戦時のステージが常に相手側、というのは面白みがないのでステージ選択機能を追加した。KFX には「各地を巡って相手と闘う」と解釈できなくもない申し訳程度のストーリー要素があり、これがなくなると機械的に対戦している感が強くなってしまうので、単発の対戦モードでのみ有効になるようにした。特にワールドモードでは世界観が重要なので、全く関係のないステージが表示されるような事態は避けたかった。

RYOU VS UKYO で RENFA ステージ。

一般的なステージ選択はキャラクター選択後に行われるものだが、これを実現するにはスキンにステージ選択の仕組みを載せ、スキンデータの作成も行わなければいけなくなるので「事前に選択ルールを決める」という簡易的な方式を採用することにした。