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KFX システム絵設定ガイド

bmp.lst には必ず登録しなければいけない絵 (以下システム絵) があり、これらはシステムモーションを動かす際に使用される。今まで何となく登録していたが、適切な絵の登録が行えるようシステム絵について深く掘り下げてみることにした。

システム絵一覧

以下はキャラ作成マニュアルを元にしたシステム絵の一覧。説明の途中で番号と絵の対応が分からなくなったら、一旦ここへ戻って確認して欲しい。

番号 動作 設定例
200 立ちガード
201 屈みガード
210 立ち顔食らい
211 屈み食らい
220 立ち腹食らい
221 ぶっ飛び
222 バウンド 1
223 バウンド 2
224 ダウン
240 ジャンプ下降中
241 ジャンプ着地

のけぞりの大小

のけぞりモーションに使われている絵には大小の区別がなく、小さくのけぞっている絵にすると強攻撃で、大きくのけぞっている絵にすると弱攻撃で違和感が生じてしまう。そのため、立ち食らいや屈み食らいには小さくも大きくもない中くらいののけぞり絵を登録するのが望ましい。

転倒とダウン

一般的な格闘ゲームでは足払いによる転倒と必殺技などによるダウンを明確に区別しているが、KFX には区別がない。ダウンとして扱った方が適切な場面が多いため、ダウンを前提とした絵を設定することになる。

ぶっ飛びとバウンド

システム絵の中でも難解なのがぶっ飛びとバウンドで、ぶっ飛びは名称が抽象的すぎるし、バウンドは 1 と 2 の違いが分かりづらい。ただ、これらの絵は基本的にダウンモーションで使われていて、「220 ~ 224 番の絵を順に追っていくとダウンモーションになる」と考えると分かりやすい。

-Num---To-Sp-Pic-De-Ci-V---VxRx--VyRy-C-CL-G-Da--Hit-H-Flag-COMMENT
 820   -1  1 220  0 52 9    0 1   0 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;JMP-C-KOKE
 821   -1  1 221  0 52 9  -40 1  80 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;
 822   -1  4 221  0 52 9  -40 1   0 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;
 823   -1  4 222  0 52 9  -40 1   0 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;
 824   -1 -1 223  0 53 9  -40 1   0 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;
 825   -1  1 224  0 53 9  -40 1   0 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;
 826   -1  1 224  0 53 9    0 1  30 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;
 827   -1 -1 224  0 53 9  -40 1   0 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;
 828  120  6 224  0 53 9    0 1   0 0 9 -1 0  0    0 9 0000 ;

システムモーションを見ると、ぶっ飛びは浮き上がる瞬間の絵となっている。また、バウンドは落下中に少しずつ体を回転させる際に使われる絵で、バウンドとは全く関係がない。実際のバウンドにはダウン絵が使われている。

ダウンモーション解析

ダウンモーションで使われている絵の内訳は分かったものの「体をどれだけ傾ければよいのか」といった具体的な指標は見えてこない。そこで市販格闘ゲームのモーションを調べ、どのような絵を登録するのが最適なのかを探っていくことにした。

お手本とするタイトルは、

  • 格闘ゲームの代表と言えるストリートファイターシリーズの中から選択。
  • スト II は ROM の容量が少ない時代の作品なのでアニメーションが省かれている可能性がある。
  • スト III はアニメーションが多すぎて参考にならない。

という理由により「ストリートファイター ZERO 3」を使うことにした。早速、昇龍拳を食らったときのアニメーションがどのように変化していくのかを見ていく。

立ち腹食らい。KFX と同じ。
立ち顔食らい。KFX では「ぶっ飛び」に相当。
体が 45 度傾いた状態。KFX では「バウンド 1」に相当。
体が 90 度傾いた状態。KFX では「バウンド 2」に相当。

注目すべきは 2 コマ目が「立ち顔食らい」になっていることで、KFX では「ぶっ飛び」という専用の登録枠が用意されているが、わざわざ絵を用意する程の価値は感じられないし、立ち顔食らいを流用すれば chara.bmp の節約にもなる。

また、キャラ作成マニュアルには、

バウンド 1 と 2 やダウンは同じ絵を指定してもかまいません。

と書かれているが、これらの絵は前後の変化が大きいので、ちゃんと用意しておいた方が良い。

ダウンモーション改善

ダウンモーションの解析結果を踏まえ、RYOU のシステム絵を以下のように変更してみることにした。

番号 動作 変更前 変更後
221 ぶっ飛び
222 バウンド 1
223 バウンド 2

通しでアニメーションさせると以下のようになる。

左が変更前で右が変更後。