Seaside Laboratory

Posts

KFM での F 式とその仕組み

BJA さんの「ナックルファイターシリーズの F 式」という記事を見て、KFM での挙動が気になったので検証してみることにした。

F 式の仕組み

F 式のことを知らない人もいると思うので GGXX/Xrd Wiki の解説を引用しておく。

F 式とは、ガードについてのバグを利用した、高速中段テクニックのこと。

このバグ自体は、歴代の 2D 格ゲーのほぼ全てで存在している。
ヴェノム使いの F 氏が実用化したネタが名前の起源。

「歴代の 2D 格ゲーのほぼ全てで存在している」と書かれているように、このテクニックには 2D 格ゲーお馴染みの 2 つのシステムが大きく関係している。

  • ガード硬直
  • ガード方向切り替え

例えば、攻撃を上段でガードした場合、立ちガードのモーションに切り替わり硬直状態になる。この硬直中に続けて上段の攻撃を受けた場合、連続ガードのシステムがあれば自動的にガードが行われる。では、下段の攻撃を受けたらどうなるかというと、立ち状態なので下段の攻撃は食らってしまう。

こんな状態になってはまずいので、ガード硬直中であってもガード方向だけは切り替えられるようになっていて、ガードアニメーションや演出上の都合もあってか、切り替えは攻撃をガードした瞬間に限定されている。別の言い方をすると、攻撃を受けない限りガード方向を切り替えることはできない。

このガードシステムの性質上、立ちガード硬直中に下段ガード入力をすると、立ちガードの食らい判定で (成功すれば) 屈みガード、という奇妙な状態が作り出される。F 式はこの状態切り替えの隙を突いたもので、屈み状態だったら当たらない昇り攻撃を立ちガードの大きな食らい判定に当てつつ、中段攻撃で下段ガードを成立させない、ということを同時に行っている。

F 式が成功したときに相手が立ちになるのか屈みになるのかはプログラムの作りに左右されるが、基本的には攻撃を受ける前の状態がそのまま引き継がれるので、立ちガードが立ち食らいになるのは自然な結果と言える。ギルティギアが屈み食らいになるのは、ガードの成否にかかわらず入力方向を優先する作りになっているのだろう。

F 式はガード方向の切り替えタイミングが制限されていることを利用したテクニックなので、スト II シリーズのようにいつでも切り替えられるタイトルでは使うことができない、ということになる。

検証

エントリーの中から F 式の条件に当てはまるキャラを探したところ、よっとさんの KYOUHEI が良さそうだったので、このキャラを使って検証した。

ジャンプ強 P からジャンプ弱 P へつないだ瞬間。

結果としては F 式は可能ということと、KFA と同じ立ち食らいになることを確認。

この手の検証を行うときは結果が不正確にならないようシンプルな CARROT のキャラを使うようにしているが、ジャンプ後の硬直が長く検証には使えなかった。