昔作られた 2D 格闘ゲームが近年の高性能なプラットフォームへ移植されるケースが増えてきているが、低解像度なドット絵を高解像度で拡大表示するとジャギが目立ってしまい見栄えがよろしくない。かといって手間やコストを考えると描き直しは難しいので、元の絵に手を加えて綺麗に見せるという手法が使われてきている。そこで前から興味のあった「ドット絵を綺麗に拡大する」方法についてまとめてみた。
解像度を表す用語には人によって解釈が異なるものも含まれているが、このページでは以下のような定義で使用している。
用語 | 解像度 |
---|---|
ローレゾ | 320x240 (QVGA) 前後 |
ハイレゾ | 640x480 (VGA) 前後 |
HD | 1920x1080 |
2 大格闘ゲームメーカーである CAPCOM と SNK アーケード基板のスペックは以下の通り。
メーカー | 基板 | 解像度 | 備考 |
---|---|---|---|
CAPCOM | CPS シリーズ | 384x224 | シリーズすべて同じ解像度。 |
SNK | NEOGEO | 320x224 | 304x224 しか使わない作品が多い。 |
ピクセル拡大アルゴリズム全般について知りたい場合は、英語版 Wikipedia の Image scaling を参照。
元の絵を拡大して使うのではなく、全て新規に描き直している。
HD 機へ移植する際に各種フィルタ機能が搭載された。
MVC2 と同様に HD 化移植。
この頃になるとローレゾ作品を HD 化するのが定番に。
MVC2 と同じ描画エンジンを使っているのか、描画モードも同じものが用意されている。
HD Remix と同様に描き直されたパターン。
背景がハイレゾ、キャラがローレゾという移行期の作品。安直に画像をぼかすという禁じ手を使ってしまった。ジャギは目立たなくなるが、画質は大幅に劣化する。
とうとう KOF シリーズもハイレゾ化。Wikipedia に「HD で新規描き下ろし」と書かれていたりするが、実際のサイズはハイレゾ相当。
原型として起こした 2D キャラクターをいったん 3D モデル化し、さらにそのモーションをつけたものを 2D にレンダリングすることによって、ドット絵としてはこれまでにない存在感と滑らかな動きを実現しようという狙いです。そのため制作工程には膨大な作業量が発生し、スタッフにとて非常にタフな開発作業となりました。社内でも「それまでするのか」という声が上がりましたが、開発チームは最高の 2D 対戦格闘を創るという一点にこだわり、この手法を採用したのです。
多くの作品で「アニメ塗りにして作業量を減らす」という手法がとられているが、この作品は従来のドット絵に近い手法で描かれているので、誇張なしに膨大な作業量だったと思われる。
Xbox360 移植時にハイレゾ化。
エミュレータなどに多く組み込まれている拡大フィルタ。hq2x や hq3x といった拡大率別に名前が付いている。
似たようなフィルタでは Scale2x というものもある。
マイクロソフトの人が考えたドット絵のベクトル画像化アルゴリズム。
Naive upsampling of pixel art images leads to unsatisfactory results. Our algorithm extracts a smooth, resolution-independent vector representation from the image which is suitable for high-resolution display devices.
ピクセルアート画像の純粋なアップサンプリングでは、満足のいく結果が得られません。我々のアルゴリズムは、高解像度ディスプレイに適した滑らかで解像度に依存しないベクトル表現を画像から抽出します。
ビットマップ画像をベクトル画像に変換できるオンラインサービス。
人工知能を使った画像拡大アルゴリズム。
画像を拡大するのではなく、縮小される前の状態に戻します。
縮小されてないオリジナル画像を与えた場合も、やはり縮小される前の画像を答えます。
その画像は本来存在しないものですが、waifu2x はそれを想像で創ります。
ドット絵は画像を縮小して作るものではないので、良い結果が得られないのはあたりまえなのかもしれない。